相槌を減らすと、相手は勝手に喋りはじめる
第四章は相槌だけを扱います。ここだけ聞くと地味ですが、対談の出来がいちばん変わるのはこの回です。
最初に、二人一組で十分間の傾聴をやってもらいます。片方が話し、片方は聞くだけ。三人目が横で相槌の回数を正の字で数えます。十分で四十から六十回、多い方は八十を超えます。十秒に一回は何か言っている計算です。
数えると、自分では気づけないことが見える
回数そのものより効くのは内訳です。「はい」「ええ」「なるほど」「たしかに」の四つで全体の八割を占めます。そして多くの方は、自分が「なるほど」を連発していることに気づいていません。録音を聞いて初めて、うわ、と言います。
相槌は聞いている証明ではなく、話の区切りの指示です。十秒に一度「区切っていいですよ」と言われたら、相手は長い話ができません。
減らす練習の手順
二周目は、相槌の総量を十分で十五回までに制限します。急に難しくなるので、代わりに次の三つを使ってもらいます。
- うなずくだけ。声を出さずに首を一回。これで半分は代替できます。
- 相手の最後の三語をそのまま返す。「……初めてでした」→「初めてでしたか」。相槌ではなく、続きの催促になります。
- 黙って二秒待つ。いちばん効きますが、いちばん怖い。第三章でやったことがここで効いてきます。
減らしたあとに起きること
二周目の十分は、たいてい相手の話す量が明らかに増えます。書き起こしの文字数で一・五倍から二倍というのが平均的なところです。相槌を減らしたぶんを、相手が埋めます。
今日からできること
次の打ち合わせで、自分の相槌を十回だけ数えてみてください。数え終わるまでの時間の短さに驚くはずです。それがわかれば、この章でやっていることの半分は済んでいます。